英語でスキーを教えない
英語で教えるって言ったり教えないって言ったり、、何やねん!というような声が聞こえてきそうですが(笑)。こう書いたのには理由があります。
国際的なスキー場・ウィスラー
ここウィスラーは非常にインターナショナルなところで世界中から人々が訪れます。英語を話せるお客さんはもちろん多いのですが、中には全然英語の話せないお客さんもいます。その言語を話せるインストラクターがいればいいのですが、そうでない場合は誰かが教えることになります。英語を使わずに。というより使えずに。。そんなときに用いられるのがnon-verbalティーチングです。
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言語に頼らない(non-verbal)スキーティーチング
non-verbalティーチングとはどのようなものでしょうか。やり方はいたって簡単。言葉の代わりに身振り素振りで見せたり、ハンズ・オン・アプローチ(手で触れて体の部分の位置を修正する方法)で感じさせたりして相手の視覚や感覚など聴覚以外のものに大きく訴えかけるのです。
「百聞は一見に如(し)かず、千見は一体験に如かず(?)」というように、目の前でやって見せたり、手で触れて実際にそのポーズを取らせてあげた方が、がんばって言葉で説明するよりも、何倍もわかりやすかったりします。
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実際に教えてみる
実際に教えるとこんな感じになります。これは6stepsでいうstep3-6にあたります。
1.まずどんなことをするかを伝える。
スピードやターンの大きさ、スタンスやどこに注目して滑るか等を動作や雪にターン弧を描いたりして伝えます。そして自分が見本を見せてやらせてみます。
2.見て直す。
何回か滑って直したい部分が見つかったら次はどこをどう直して欲しいかを伝えます。ここを言葉を使わずに上手く伝えられるかがキーポイントになります。伝えるポイントは以下の3つです。
「Part of the turn, Part of the body, how to move」
ターンのどの部分で、体のどの部分を、どのように動かす(動かさない)かです。
やり方は、まず雪の上にS字を書いてターン弧に見立て、ターンのどの部分かをストックの先でチョンチョンとつついて示します。次に体のどの部分にフォーカスし て欲しいかを手やストックで抑えて示します。そしてそこをどのように動かすかを見せる、もしくは手で持って動かしてあげます。
*もし余裕があるなら「Why」、なぜそうした方がいいのかが伝えられると生徒のやる気も上がります。
3.うまくいくかやらせてみる。
とりあえず何か伝えたらやらせてみます。うまくできたら満面の笑みでGOOOD(グーッド)!と言います。恐らくGOODぐらい通じるでしょう(笑)。上手くいかなければ同じやり方なり違うやり方なりで直して欲しいところをもう一度伝え、トライです。
4.できたことをどんどんやる。
やりたいことができたら、身につけた事をどんどんやって体に染み込ませます。いろいろなシチュエーションで試しましょう。前のクセがたまに出てくると思いますが、その都度形で見せて思い出させてあげましょう。
このように見せて触って感じさせてどんどん滑ってレッスンをしていきます。
実際にこの方法を試してみると、英語(言葉)なんかなくても意外と言いたいことって通じるんだなと思わされます。大切なのは大きい動作と上手くいったときの笑顔です。できないことができたときに満面の笑みでGOODと言われること程うれしいことはありません(笑)
近年国内でも外国人が多く訪れるスキー場が増えてきています。もしそのような所にあるスキースクールで働いていたり、CSIAを受けれるチャンスがある人は言葉に自信がないと敬遠せずに一度トライしてみてはいかがでしょうか。きっとものすごく貴重な体験ができると思います。
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non-verbalティーチングのもう一つの利点
実はこれ、僕はやるのもやられるのも好きです。なぜなら言葉に頼らなくなることで自分のレッスンやその人のレッスンに軸ができて、本当にわかりやすいものに変わるからです。(曖昧な言葉で誤魔化せなくなるし、話すのが苦手な人は言葉を考える必要がなくなる。)
そしてその上で、言葉が通じる人に教えるなら、このnon-verbalティーチングを補助するために言語を使いましょう。それ以上の説明はあまり要りません。それ以上の言葉はレッスンをダラダラと長いモノにしてしまう可能性があります。
もしあなたに人を教える機会があったり教えあう仲間がいたりしたら、ぜひこのnon-verbalティーチングを試してみてください。自分達のティーチングスキルを高められるのはもちろん、身振りや表情が豊かになることでコミカルな動きが増えて(笑)、自然と笑いの多いレッスンができますよ(^ ^/
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いいですねー。レッスンの基本ですね・